昨年に香港で先行発表、IFAで正式発表されたIER-M7、IER-M9、IER-Z1R。Z1Rは音質厨御用達、ソニーのSignature Seriesに位置するフラッグシップイヤホンです。
M7とM9は日本でも出ていたものの、Z1Rだけはなぜか出ず、この3月についに発売となりました。
香港での発表当時からこれ欲しいな~と思っていたので、買っちゃいました。
購入時の実質価格は18万7807円
オープン価格なので定価は存在しませんが、ソニーストアでの販売価格は21万5870円(税込)。ただし、ソニーストアは常に10%オフクーポンを配っていますし、新規登録でもやっぱり10%オフが貰えますから、10%オフを考慮した19万4283円(税込)が標準価格と言うべきでしょう。そこから定額2500円オフとかが発生したりします。
まだ発売したばかりなので家電量販店での値引きは皆無ですが、ポイント(13%)を考えると18万7807円で、ソニーストアよりちょろ~んと安い感じですね。
ソニーストアだと3年や5年の延長保証がついてきたりするので、この価格差をどう見るかは人それぞれと言えるでしょうか。私はビックカメラで買いました。
ビックカメラのポイントがいっぱいあったというのも理由の一つですが、三井住友のポイントアップモールがこの3月はポイント4倍、つまり還元率2%(1倍=0.5%)でちょっとお得度が増していましたので、今買っちゃった方がいいかな~的な勢いに任せました。
ちなみに私が最後に買ったイヤホンは2011年のXBA-4SLだったりします。ソニー最初のBA型ドライバ搭載のイヤホンですね。
開封
流石に梱包しっかりしてるな〜 pic.twitter.com/kdhehfNMf0
— 那瑠(なる) (@icamusu) 2019年3月29日
流石に、20万円するだけあってしっかりとした箱です。
個人的には箱にかけるコスト分安くしてほしいと思っちゃいますけども。いやだって箱なんて一度触った後は二度と触らないし、ねぇ?
4.4mm 5極バランスケーブル。最近のソニーのヘッドホン・イヤホンではだいたい標準でついていますね。ソニーはキンバーケーブル製の交換ケーブル(やたら高い)も出しており、基本それをフラッグシップとしていますが、このイヤホンにはイヤーハンガーがあるんため、リケーブルしたら使い勝手悪くなるんじゃねって気がします。このケーブルは1本9000円くらいのようで、品質的にも十分高い気がします。
私のシリアルナンバーは1152でした。カカクコムを見ると、予約して買った人が1027だったり17xxだったりしたので、その中間ですね。発売1週間で買ったのですが、予約組と差はないようです。まぁこの価格のイヤホンが飛ぶように売れてたら怖いので、当然と言えば当然でしょう。
あ、初期不良を引きました
何か買うとやたらと初期不良を引き当てる運命力を持っている私ですが、今回も無事に引きました。本体に傷のような凹みのようなものが。ツルツルテカテカなので、写真だと汚れや付着物との見分けつかないかもしれませんが、ちゃんと凹んでます。
メイドインジャパン、職人による手作業組み立てらしいのですが、普通に凹みをスルーですか。
最近はもう、初期不良を引かなかったら逆に凄いというか、初期不良を引かなったらブログのネタが減るくらいに思っているので、初期不良を引くことができてよかったと思っています。先日なんて冷蔵庫の初期不良を引き当てましたしね。とりあえずはサポートに連絡して交換してもらいます。電話だと写真が送れないのでメールサポートで写真送りましたが、まだ交換前なので、以下の視聴レポートは、凹んだ奴を使います。まぁこんなちょっとした凹みで音なんて変わりませんって。
音質語りのコーナー
まずは前提条件として。私のウォークマンはSignature SeriesのWM1AやWM1Zではなく、普通のZX300です。ヘッドホンはMDR-1AM2を使っていました。スピーカーはKS-3HQMです。
そして私は、ガストのゲーム アルトネリコとサージュコンチェルトシリーズの音楽しか聴きません。それ以外の音楽は一切聴きません。
WM1Aはデカすぎたため、あえてこちらを選びました。20万級イヤホンを買いながら言うセリフではないのですが「そんな音質の差なんてあるわけねーだろ、あっても人間の聴覚じゃわかんねーよ」と思っています。
例えば、WM1Aでキンバーケーブルに変えたら音質が~って人いますよね。すっげードヤ顔で語ってますよね。でも、WM1Aは内部配線、アンプからイヤホンジャックまでの経路は普通の無酸素銅ケーブルです。で、WM1Zだとそこがキンバーケーブルだったりします。どれだけヘッドホン・イヤホンをキンバーケーブルにしようとも、WM1Aを使っているのであればその手前がキンバーケーブルではないただの無酸素銅ケーブルですよ。一度無酸素銅ケーブルで劣化()した信号が、その後でキンバーケーブルにすると復元されるのでしょうか。
と思うと、音質厨なんて絶対テキトーに言ってるだけだろと言いたくなるわけですよ。あ、ちなみに、キンバーケーブルの素材は無酸素銅です。IER-Z1Rのケーブルの素材も、無酸素銅です。
さて、20万級イヤホンを買いながら音質はオカルトだと言わんばかりに貶すということをしたところで、音質について語ってみましょうか。
ZX300の設定はDESS-HXオン(女性ボーカル)、DCフェーズリニアライザータイプBスタンダード、バイナルプロセッサースタンダードにしました。
とりあえず選んだのは「Class::CIEL_N_PROTECTA;」
MDR-1AM2では「全然鳴らしきれていない!」と強く感じる高音域のビンタで耳が聞き疲れするので、これを真っ先にチョイスしました。
QuelI->EXiV[obe]->ExeC->{TzW};
QuelI->EXiV[sep]->ExeC->{TzW};
QuelI->EXiV[obe]->ExeC->{TzW};
QuelI->EXiV[sep]->EX[obe]->ExeC->{TzW};
開幕からMDR-1AM2ではEXiVとsepあたりが特に潰れやすかったのですが、余裕で鳴らしてくれました。
MDR-1AM2は決して安いヘッドホンではなく「鳴らせない音などない」と思っていたので、ここまで変わることには驚きです。最初IER-Z1Rで聴いて「あれ、なんか普通だぞ」と思い、MDR-1AM2に差し替えたら「あ~、全然ちゃうな!」と思い出す、そんな感じです。今までもそうですが、高音質に進むと、進んだ段階ではそこまで実感ないものの、下のランクに戻した時に「うわ!こんな汚かったのか!」ってなるんですよね。人の感性は、悪くなる方向へ敏感なのです。
QuelI->{
EXiV[obe]->{hymel f ethes}
}->ExeC->[TzW];焼き尽くせ 火花を散らし
惑わす声を 撃ち砕け 引き金 迷わずに
特にhymel f ethesが死にやすく、日本語ボーカルも相当な勢いで突き刺さってくる鬼門。ここも刺さる感覚はゼロ、平気で鳴らしきってくれました。正直この刺さりまくるザラザラ感がこの曲の個性なのだろうと思っていたのですが、全然そんなことなかったですね。
全体の傾向として、あらゆる部分で突き刺さってくる感あったものは全て取れたといったところでしょうか。曲そのものが別となったと感じます。MDR-1AM2もスペック表では3Hz-100,000Hzなのですが、可聴域でも余裕で限界があったのかなぁと心配になってきました。今まではそれを個性と思っていたことにショックです。うーん、もうMDR-1AM2には戻れない。ので、メルカリに売ってしまおう。
高音と低音が同時に来た時に、混ざることなく両方を適切に捌くような聴きやすさがあり、耳触り良く、聴き心地としてはスピーカーにかなり近い印象ですね。とは言えスピーカーとは違い――耳に突っ込んでるから――細かい音を聴きやすいので、分解度の高さはやっぱりイヤホン・ヘッドホンならではです。
細かい部分ですが、イヤーフック。このタイプのイヤホンはMDR-EX600あたりが最初で最後だったのですが、あの頃と比べるととても装着しやすくなりましたね。あの頃のイヤーフックは柔らかい針金と表現するとベストなもので「曲げた形を維持する」という方向だったのですが、このイヤーフックはデフォルトで曲がっており、形を変えることはできません。曲げてもデフォ形状に戻ります。
トリプルコンフォートイヤーピース、始めて使ったのですが、なかなか良いですね。私の耳の皮膚はあまり強くないので、イヤホンは痛くなることが多いのですが、これは痛くなりませんでした。肌触り良好です。ただ耐久性は少し心配で、最初からプツプツと穴があるのは何なんだろうかと気になります。
総評
デザイン、装着感、音、どれも非常に高い水準でまとめられており、流石はSignature Seriesと唸らせてくれる一品です。
とは言え、世間一般的な常識で考えるとイヤホンに20万はありえないので、誰にでもオススメできるようなものではないのは確実です。あくまでも「高くてもその分良いモノが欲しいな!」と思った人に対してのみ、中途半端な価格帯のものを買うより、思い切ってブッチギリ高いのを買ってしまうのも悪くないよと言いたくなります。あとは、目立ちたがり屋さんですかね。見た目にかなりインパクトがあるので、街中で装着してたら目立つかも知れません。
また正直ZX300だと鳴らしきれてないのではと思い、WM1Zあたりを買ってしまいたくなります。
WM1A、WM1Zは2016年秋発売と、時期的には2019年秋に後継機が出てもおかしくない頃合いだと思います。ので、後継機が出たら買ってしまおうと思っています。
というわけで以上、IER-Z1Rのレビュー的なものでした。
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WM1Zとの組み合わせで再レビューしろ