開封の儀はこちら。今回は音質レビューのコーナーです。
まずは比較対象の紹介などから
オーディオにはオカルトチックな話がつきものですね。
そのため、何と比較してどうなのか、レビュアーはどういった人なのかは重要なことなので先に書いておきましょう。
まず、比較対象はMDR-1ADACとなります。2014年の発売日よりちょい前に購入したヘッドホンです。私はあまりヘッドホンを使いまくるタイプではないので使用時間こそ極端に長期間なわけではありませんが、購入からは4年近く経っているものです。

MDR-1ADACは、MDR-1AにDACを内蔵させたものとなります。つまりこれ一個でハイレゾ音源をしっかりと再生できます。スマホをバンドでポータブルアンプに貼り付けて、スマホとアンプをUSB接続して、アンプからヘッドホンへケーブルを…という果てしなく面倒臭い環境は嫌だ、でも高音質が欲しいという人にとって、このDAC内蔵ヘッドホンというのは非常に理想的な存在です。スマホとヘッドホンをそのまま繋ぐだけですから、とにかく楽ちんです。
あ、再生はiPhoneXでHFPlayerを使用し、DSD変換をかけています。

そして今回の新商品MDR-1AM2は、同時に購入したNW-ZX300で聴きます。
なぜ下線を引いて強調したかというと、「ZX300は200時間のエージングが必要だ!」とネットでよく聞くからです。

200時間の根拠は、なんと実際に高音質ガイドとして書かれているというものです。が、これについて私はそんなわけないだろと叫んでおきます。
アナログ機器、例えば「油差したての歯車」ならば、しばらく回すことで油が馴染み、よりスムーズな動きになるでしょう。しかしコンデンサーの電気特性の安定化に200時間という中途半端な時間はあまりにも信ぴょう性に欠けます。
ましてや、バランス接続とアンバランス接続でそれぞれ200時間(これも書いてある)なんていう部分が余計に胡散臭いですね。だってZX300の基板上に存在する新開発高分子コンデンサーは4個です。WM1A/Zほどの贅沢な作りにはなっておらず、バランス接続とアンバランス接続で全く別の回路を通す設計とは考えられません。つまり、バランス接続とアンバランス接続で使用するコンデンサー、同じでしょ? しかもWM1Aでも全く同様に200時間と書かれている。使っているコンデンサーの数も回路設計も違うのに時間が同じとかただただ嘘クセェ。
製造・販売側がエージングと言う時はただの返品リスク回避と考えるのが妥当です。真面目に受け取る必要はありません。あ、消費者が言うエージング効果は耳が慣れたと思い込みが99.9%です。
というわけで比較環境をハッキリさせました。
また一応ZX300の嘘クセェエージングが終わっていないことも明記しつつ、こういったオカルトチックな話を全く信用しないのが私だということでレビュアーの属性もハッキリさせることができましたね。ここからようやく聴き比べた感想コーナーです。ちなみに聴き比べとは、何度も何度も交代々々に聴き比べています。
“高音が飛び出してくる!”が第一印象
ZX300のオカルトチックなエージング話をひたすらに貶しておいてなんですが、いやはや、かなり気持ち良い音が鳴りますね。
一番最初に聴き比べたのは、Ciel nosurge Genometric Concert Vol.3より、ラシェール・フューザー。紹介はアマゾンを利用しますが、使用しているのはハイレゾ音源です。
ラシェール・フューザーは終わりと始まりを奏でる曲で、その気高さには惚れ惚れとする一曲です。そして第一印象はなんと言っても高音の飛び出しでした。
特にサビの部分、タンバリンを振ってるようなシャラシャラとした音が、MDR-1ADACだと注意深く聴き込んでようやく流れているなと感じるのが、MDR-1AM2で聴くと非常にハッキリと出てくるんですね。これにはかなり驚かされました。音量バランスが違うのではないかというくらいに高音がハキハキと、伸び伸びとしている印象を受けます。「え、ここってそんな音鳴ってた?」という疑問が幾度となく浮上しては、MDR-1ADACに聴き変えて、集中して聴いて「あ!流れてる!」という新たな発見が生まれてきます。フォトショップで言うなら、後ろにあったレイヤーを前に移動したかのように、元々は隠れて聴こえなかったような高音域がしっかりと前に出てきます。それでいて主張しすぎないことから、本来聴こえるべき音が聴こえてなかったかのような印象へと繋がっていきます。
タンバリン。
高い分解度と残響感のある低音に感銘
続いてはAr tonelico Hymmnos Concert side.蒼より、謳う丘-Harminics EOLIAを聴き比べ。
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この曲は元々5.1chで作られてるんですよね。駆け回る音がとても楽しい曲です。ステレオで5.1chを脳内へ、どれだけ展開させてくれるかの評価にもよく使っています。
MDR-1ADACでもこれ以上ないと思っていたくらいに素晴らしい”音の動き”を再現できていたと思っていたのですが、MDR=1AM2は一歩か二歩ほど上にありますね。高い分解度を持っていて、より滑らかに動きを感じることができました。ただ、ラシェール・フューザーのように「そんな音あった?」みたいな印象はこっちでは出てこず。まぁ私からすれば10年以上聴き続けている曲ですから、流石に新しい発見は出てきませんね。
新しい発見はないものの、その分、音が純粋に良くなったことを強く感じました。ラシェール・フューザーでは高音の伸びに驚きましたが、こちらでは芯のある低音に驚嘆し、感銘を受けました。高音は刺すようにピッとした刺激からサッと去っていくのですが、低音はドシッと来た後に心地良い残響感が残りますね。高音から低音まで見事に鳴らしてくるなコイツめコンチクショーという感想です。
激しく広がったダイナミックレンジにより、音の情報量に少し酔うことも
ここでグッと聴き応えのある曲を試すことにしました。
Ar tonelico2 Hymmnos Concert side.紅より、EXEC_with.METHOD_METAFALICA/.を聴き比べました。7分半の大作です。ここが曲紹介の場ならばEXEC_METAFALICA/.とMETHOD_METAFALICA/.も一緒に紹介するのですが、あくまでもヘッドホンレビューの記事なので、そこはあえてスルーでいきましょう。
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この曲はエンディング曲ということもあって大いに盛り上げていく元気な曲です。ルカとクローシェが交互に謳っていくWas yea ra wealの部分の美しさには舌を巻くことでしょう。
さて、ここまでの聴き比べで2時間以上使っていることも理由の一つかも知れませんが、音に酔ってしまったのが正直なところです。
ダイナミックレンジが大きく広がり、良い意味であらゆる音がその主張を強めているので、音の数に圧倒されるような印象でした。圧倒的に良いが、良すぎてちょっと疲れます。そしてMDR-1ADACにつけかえた時には、その適度な汚さに少しホッとします。MDR-1ADACも十分にキレイな音が出ているのに、MDR-1AM2と比べるとモヤモヤ~っと濁ってるように感じるのですね。その濁りが逆に、疲れている状態には適度な音という感じがするのです。MDR-1AM2の良さと同時に、MDR-1ADACの簡単お手軽高音質の良さも再認識です。
まとめ:ウォークマンとあわせて10万の価値はある
他にも色々と聴いてまわりましたが(ちなみに私はアルトネリコ/サージュコンチェルトシリーズの曲しか聴かない)、出てくる感想はだいたい前述の3つですね。全体的に大きく広がったダイナミックレンジ、よく伸びて前に出てくる高音と、余韻に浸れる残響感のある低音です。今回のMDR-1AM2に関する感想をまとめれば、この3点に落ち着くでしょう。低音から高音まで全て高いレベルにまとまっており、10万円出して良かったと感じる音を奏でてくれます。
正直、MDR-1ADACと大差なかったらどうしようかと内心ビクビクしてたので、プラシーボ効果を明らかに上回っている大きな差があって凄いなと感じます。
簡単お手軽高音質という観点では、スマホ+MDR-1ADACもまだまだ捨てたものじゃないなと思いますが、そこから更に一歩二歩音質を求めたい時、高音質ウォークマンは良い選択肢ですね。副次的に、スマホの電池消耗を抑えられるなども出てきますし。良い買い物をしました。
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