本格的な4Kゲーミングの時代が迫ってきましたね。
(スペックさえ許せば)PCでは以前から4K出力できないゲームタイトルというのはほぼ存在しておらず、ただ4K最高画質は負荷が高く、「4K標準画質よりはフルHD最高画質の方がいい」とか「そもそも4Kモニタ持ってねーわ」などの理由から、4Kゲーミングはそこまで普及していない気がします。私も4Kモニタ持ってません。私は21:9の超横長曲面モニタを楽しむ方向にシフトしていました。
GTX10シリーズが超強くなることで、わりと気軽に買える値段のGTX1070でも4Kをけっこう高画質に描けるようになり、PCでは4Kが現実的になったと感じます。私、GTX970買って5年はこれでいく予定でしたが、既に買い換えたい衝動が凄いです。GTX1080tiが出たら買おうと思ってます。
また家庭用ゲーム機でも、2017年ホリデーシーズンと、1年半ほど先とは言え、Xbox Scorpioで正式に4Kに対応することが決まりました。ソニー陣営もPS4 NEOで4Kゲーミングに対応してくるのは確定となっており、正式発表はいつになるか待ち遠しい状態ですね。
4Kゲーミングはこれから一気に一般的になってきます。
というわけで、環境をそろそろ考えてみようかなと思っています。ついでに自分への知識の再インプットも含めて。
いの一番、4Kモニタがないと何も始まらない
4Kゲーミング環境とは言っても、PCは純粋に(グラボが)高性能であればいいよってだけですし、家庭用ゲーム機ならばPS4 NEOやXbox Scorpioが出るのを待つだけです。最も考慮して買う必要があるのはモニタでしょう。
逆に言えば、4Kモニタさえ持っていれば、ゲームをしなけりゃSurfaceProのようなウルトラモバイル系のPCでも4K出力してオフィス作業程度余裕でできます。
そんなわけで4Kモニタを検討しましょう、というのが今日のお話です。
あ、結論から言っておくと、今わりと時期が悪いので、もう半年ほど待ったほうが良かったりします。
まずは基本のおさらい
4Kには主に2つのテーマがあります。解像度とHDRです。
- 解像度
4Kの名の由来である、横4000縦2000という高解像度のことですね。正確には3840*2460で、フルHDの縦横ジャスト2倍となっています。もうちょっと横に長いのもあったりしますが、一般的ではないので無視しましょう。 - HDR
ハイダイナミックレンジの略称がHDRです。これが何か、超簡単に説明すると「明るさの幅が今までよりも広い」となります。今までだったら黒つぶれ・白飛びしてしまうような「暗さ」と「明るさ」が描けると考えてください。
さて4Kモニタが出始めた当初は、DualLink DVIを2本使うような変態チックな接続方法もあり、伝送ケーブルの帯域不足が問題となっていたと思います。が、今ではそれも解決し、HDMI2.0とDisplayPort1.2で、ケーブル1本での4K 60fpsに対応をしています。4Kモニタを購入する場合、「HDMI2.0」と「DisplayPort1.2」は最低限は抑えておくと良いでしょう。
ちなみに、HDMIは現時点での最新は2.0aとなっており、主に高価格帯のテレビで順次対応をしていっていますね。2.0との差はHDR対応の有無です。
ゲームのHDRではHDMI2.0aは不要です
HDMIは2.0aでHDR対応をしたと説明をしました。
「じゃあ、2.0だとHDRではない映像なの?」と思う方。それは半分正解で、半分不正解です。
ここが大変に面倒臭いんですけど、HDRにも規格というものがあるんですね。
HDMI2.0aで対応するHDRは、HDR10と呼ばれるもので、4K解像度とセットで使用することを前提とされています。HDMIは規格そのものが映像業界側に沿って定められたもので、その業界の色々な事情があるのでしょう。HDR10は、ウルトラHDブルーレイでのHDR規格となっております。そのためウルトラHDブルーレイを完全な画質で観たい場合、HDMI2.0aが要求されますし、HDR対応を謳うテレビのほとんどは、HDR10対応を意味しています。
ではゲームではどうかというと。HDR10は採用していないのが現状です。
まず根本的に、ゲームでは、解像度自体はフルHDのままでHDRがいいって場合もありますよね。先日に発表されたXboxOneSでも、HDRへの対応を謳っていますが、ゲームの解像度はフルHDまでです。4K解像度であることが原則となるHDR10は使えません。じゃあどうするか。その声に応えるのがDolbyVisionと呼ばれるものです。
DolbyVisionは、解像度とは切り離されたHDR技術です。HDMI1.4で、フルHD+HDRが実現できます。うまいこと圧縮してHDR映像を作り、モニタ側が展開してハイダイナミックレンジを描きます。ゲーム側の状況としては、Unreal Engine4などの有名なゲームエンジンは対応が完了し、その他の有名なゲームエンジンも順次対応を進めている最中です。もちろん、今はゲームエンジン側が対応していっている段階なので、それを用いてHDR出力できるゲームが登場するのは”これから”ですね。2016年末に出るGoW4がHDR対応というので、今年後半からどんどんHDR対応ゲームが出てくるでしょう。
ここらへんの話は、4gamerのGDC 2016特集の記事が、けっこう詳しく解説されておりますので、あわせて読みたいなと思います。
[GDC 2016]メジャーなゲームエンジンが続々HDR出力対応。HDMI 1.4でHDR出力するその仕組みとは? – 4Gamer.net
HDR10とDolbyVisionではHDRメタデータの扱いにも差があり、ゲーム用途だとDolbyVisionの方が有効といった背景もあるのですが、そこらへんは割愛します(4gamerの記事が詳しく説明してくれています)。
ここで覚えておく必要があるのは、ゲームのHDRはDolbyVisionってことです。今後どうなるのかは不明ですが、現時点では、ゲーム側はDolbyVisionによるHDR対応へと進んでいて、HDR10ではありません。
DolbyVision対応モニタは”これから”登場する
実は現在、DolbyVisionに対応したモニタはほとんどありません。
日本の有名メーカー製の高価格帯の4K HDR対応を謳っているテレビも、ほとんど対応していません。そのテレビが対応しているのはHDR10で、DolbyVisionではないのです。
私が知っている限り、DolbyVisionに対応したテレビは、今はまだLGの液晶/有機ELだけでしょうか。DolbyVisionに対応をしていれば、DolbyVisionロゴがついているので、それの有無で対応状態がわかります。
DolbyVisionに対応したモニタは、今年後半から順次登場してくるはずだと、ゲーム業界は見ているようです。
これは4Kモニタだけでなく、フルHDモニタでのDolbyVision対応も含みます。
ゲーム側が採択するDolbyVisionに対応しているのが、現時点ではLGしかないに等しい状態こと。
ゲームコンテンツ側も今すぐ即座にHDRという状態にはなく、今年後半から順次出てくること。
これをあわせて考えると、4Kゲームを本気で楽しみたい目的でモニタを買う場合、基本的には「モニタが出揃うまで待ったほうが良い」と言っていいでしょう。もちろん、LGの液晶/有機ELを買えば間違いはありません。ただ選択肢が他にないだけです。特に有機ELは映像品質に優れるので、私自身、かなり「欲しい」と思っている一品です。
LGの液晶/有機ELを一覧化するとこうなります。個人的に、LGのHPってめちゃ見辛いので、情報整理がし難い。液晶の安い版はDolbyVision非対応なので注意です。
一番安くDolbyVision対応品を買いたいなら、UH7700シリーズですね。こちら6月24日発売で、発売時点での予想実売価格も20万円前後という、わりとお買い得な注目品です。値段が落ち着いてくると大本命になりそうです。
HDRを一旦諦める場合
今すぐ買うならLG。それが嫌なら待つか、HDRを諦めるという選択肢もあります。
HDRを諦めれば、4Kモニタは既に大型から中型、小型まで多種多様あります。大型であれば、テレビorモニタという選択肢も出てきますね。どれを買うべきか考えていきましょう。
- 大型 – テレビ
「どうせ買うならテレビも」という方が選ぶと、テレビになります。その分、モニタ単体よりは高くなりますが、家電メーカーがしのぎを削る高画質化技術の恩恵もあるなど、付加価値も高いです。 - 大型 – モニタ
安さと4Kのバランスを狙うならココですね。大画面で臨場感ある4K映像を楽しめます。 - 中型 – モニタ
PCモニタとしてデスクに置いて使う場合にこのサイズになります。 - 小型 – モニタ
これは論外と言っていいでしょう。4Kの意味が無い。
また、基本的にIPSパネルを絶対条件とします。ゲーミング用途なら色再現性より高速性のTNだろうって意見も当然あるのですが、TNは、私はモニタとして論外だと考えていますので。色が汚い。せっかくの4Kも台無しですよ。
大型テレビならレグザZ700Xシリーズ
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東芝のREGZAは、ゲーム目的で人気のテレビですね。内部遅延を抑えたゲーム機能をウリにしています。最近、東芝はあまり良い話を聞きませんが、会社の状態と商品は別で考えましょう。
REGZAはフラッグシップ機が安いという傾向があり、良い物を安く買えると受け取ることができます。実売15万前後。DolbyVisionには非対応ですが、ウルトラHDブルーレイのHDR映像は見ることができます。
大型モニタならフィリップスのBDM4350UC/11
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BDM4350UC/11は、実売7万~とけっこうな安価さを、42.5インチというソコソコに大型で備えています。
4Kの高解像度さを安く堪能できる魅惑の商品。入力もHDMI2.0が2本、DisplayPortは2本と十分。
応答速度はGtoG 8ms、オーバードライブ時5ms。
個人的には応答速度は5msを超えるとゲーム目的では超快適とは言えなくなると思っていますので、ギリギリラインですね。現在私が使用している21:9のウルトラワイドモニタU3415Wも、GtoG 8ms、オーバードライブ時5msで、常にオーバードライブ設定で使用しています。
中型モニタならLGの27UD68-W
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再び出てきたLG製品。このブログは別にLGひいきなわけではないのですが、LGが全体的に優位にあるので自然とLGが増えちゃいます。
27インチと言えば、私が「PC用でベストのサイズ」とか言ってるサイズとなります。
手が届く距離でデスクに置いて使う時、16:9の27インチはちょうど画面全体が見渡せます。画面全体を瞬時に見渡せない大画面でのゲームは臨場感に溢れ、楽しさは増すのですが、画面全体を見渡せないとゲームプレイ自体は自然とヘタクソになるため、デスクに置くなら27インチはジャストサイズでしょう。
この商品は応答速度5ms、DAS時2.5ms程度と早めなのもポイントですね。
入力はHDMI2.0が2本、DisplayPort1.2が1本。必要十分。
ちなみに、27UD88-Wというものもあります。そっちはUSB type:Cに対応しているのが特徴なのですが、ゲーム目的でUSB type:Cの有無は全く関係ないと思うので、割愛。
と。各カテゴリーで1つずつ、「私が買うならこれだ!」と思うものを挙げさせてもらいました。
私が今一番気になっているのはやっぱりLGの有機ELテレビですが、大型モニタを置く場所がないので、買うなら27UD68か、27UD68相応でDolbyVision対応品が出るのを待つ感じですかね。
コメント コメントは承認制です。
安易にHDRで見れると書かれても、、、、HDRが見れる・見れないじゃなくて、どのクオリティで見れるかどうかが大事なのでは?そのクオリティ制御はカメラのISO感度と同じでメーカー依存だし、AACS2.0対応のプレイヤーも出ていないのにウルトラHDブルーレイのHDR映像を見れるといわれても、、、ぱっと見た感じ20万そこらのTVだとあまりHDRのクオリティは、、、て感じでした。それで満足した気になれる人はそれでいいんでしょうけど。
もっと勉強してから記事書いたほうがいいですよ
業界の人間として言わせて頂ければ60点な作文です!
商品売っててあれですが、もう2世代ぐらい4KはスルーでOK
HDRのnit数や反応速度、画面のタイプなど考慮する事は多いと思います!
ちなみにLG推しみたいですが、LGは偽4Kですのでw
Amazonなどで他のメーカーの半額ぐらいの値段で売ってる訳がわかれば
ここの作文ももっと上手く書けると思います
ご指摘ありがとうございます。
ご指摘箇所以外にも、半年前と今とでは、また状況が変わってきてますねぇ。今読み替えると、全然ちゃうやーんってのが多いですね。
半年前だとHDR対応モニタは2016年後半には出るだろうと言われていたのが、今だともう全く出る気配ないですし。2017年以降になりそうですね。
半年前だとゲームエンジンはDolbyVisionからHDR対応を進めていったけど、PS4のHDRは確かHDR10に対応で動いてきましたし。
勉強はし直した上で、そのうち最新版書きたいなと思います。