ゴールデンウィーク。自堕落にホゲェ~と過ごしている方も多いのではないでしょうか。私もです。さて、GWわーいわーいと昼寝していたらピンポーンと鳴り、共有玄関のカメラを見てみると青いジャケットの男性が立っていたわけですね。なので「あ、佐川急便か」と思って出たんですけど、まさかの「NHKでーす」というトラップでした。
応対しちゃったんだなこれが
今にして思えば、NHKだと分かった時点で、マンションの共有玄関のロックを解除しなきゃ良かったのでしょう。「テレビ無いので帰って下さい」でいいのです。テレビがないというのは一番効果的な良いセリフです。
しかし今回私、「契約ではなく説明に来ました!」というセリフに騙されて開けちゃったのです。私は会社の命令でクソ田舎のマンションに滞在していて、ちょっと事情が一般家庭と異なるので、何か説明があるのかなと信じてしまいました。結果、説明というのはただの嘘で、契約して下さいという普通の委託業者でしたけどね。
ただ私は、「彼も仕事でやってるんだよな」「悪いのは時代に合っていない放送法だよな」と思うと、ただのスタッフに、そこまで強気には出たくありませんでした。「せっかくだしブログのネタにするか」という気もしたので、わりと長い間「契約する気はない」「契約しないといけないんです」という押し問答を繰り返していました。ので、感じたことなど色々と書き殴ってみます。
私は払う義務がない
先に、私の主観に基づく意見について述べておきましょう。私は「NHKを見ているなら払うべきだ」と思います。そこに放送法の是非がどうのや、勝手に飛ばしておいて払えというのは押し売りみたいだスクランブルかけろとか、単純に気に食わないとかそういうのは全くの無関係です。見てるなら払うべきだろうという極々単純な話です。
でもまぁ、私はNHKを見ていないんですよね。NHKに限らず、テレビ放送を見ません。なのでテレビそのものを私は持っていません。なので本来なら「テレビない」で全て終わりです。が、私が今いるマンションは家具付き契約なので、テレビがこの部屋に存在はしているんですね。ただし、それでも私には払う義務がないと考えています。
有名な放送法第64条にはこうあります。
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
あ、最近は委託業者も放送法第64条って言葉をジャンジャン使うんですね。放送法第64条により契約しなければいけませんと言ってくるわけです。もっとも、私のところに来た嘘つきマンは「契約ではなく住居登録なんです。さぁサインを~」とか言ってましたが、問い詰めたら「簡単な言葉に言い換えただけです」と逃げました。
さて放送法では、受信設備を設置した場合は契約をしなければならないとあるものの「放送の受信を目的としない受信設備」は対象外となっています。法律というのは解釈の問題が常につきまといまして、時代背景などを踏まえて様々な解釈がなされます。NHKは現在、これを「使用者の使用目的ではない」と主張しています。正確には委託業者がそう言ってきます。「テレビ自体が機能として受信を目的としていますから」と、製造目的が受信かどうかと主張するわけです。
しかしNHKは2009年頃まで次のようにHPに載せています。
まず、ビデオテープやDVDの再生のために使用することが多いといっても、アンテナを取り付けていたり、アンテナ端子へ接続していれば、放送を受信する目的が推定されます。この場合は、受信契約の対象となります。
一方、アンテナを取り付けていなかったり、事業所において職員の研修専用で使っている実態がある場合など、明らかに再生専用であれば受信契約の対象外となります。
「アンテナを取り付けていたり、アンテナ端子へ接続していれば、放送を受信する目的が推定」、これはどう解釈しても明らかに、使用者の使用目的を判断基準にしていますよね。都合が悪くなったのか、今はこの記載は消失してしまいましたが、当時はそう書いていたわけです。そして2009年当時よりも更にマルチメディアが発展し、テレビの使用目的がNHKの放送波受信以外にも多岐に渡る今、「テレビを持っている=放送の受信を目的で持っている」と判断するのはあまりにも暴論でしょう。
道理はこうではないかと説明してみた
先ほども述べたように、私は「家具付き物件」にいます。しかし相手はそれを知らないはずなので、テレビ無いですという嘘を言ってもバレないはずです。ただ今回は、「こちらはレオパレスのような家具付きのお部屋ですよね?テレビありますよね!」と先回りで言ってきました。ふむ、なかなかどうしても、下調べ頑張ったようですね。
「管理会社には話を通しています」とも言っていましたが、それならなぜ「レオパレスのような」という曖昧な前置きをしたのだろうと引っかかりました。これはおそらく、マンションの管理会社と話を通すどころか、そもそも管理会社がどこかもよく分かっていないのでしょう。つまり家具付き物件というのは「他の部屋の住民から聞き出した情報」だと推察できます。
また、この部屋の賃貸契約日を管理会社は当然知っているわけですけども、このスタッフは「今日からでもいいです」などとも言ってきました。あれ、それ違法ですね。今日からはダメですよ。放送法には次のようにあります。
協会は、あらかじめ、総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ、前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。
業者の判断で勝手に「今日から」と言って過去を免除すると、放送法違反になります。私が「この日に入居した」と虚偽申告をすることは可能ですが、業者が勝手に日付を選ぶことはできません。
またまた以前に、管理会社を通して、東京電力委託の電気チェック業者が来たことがあります。その業者は、マンションの共有玄関オートロックを自分で解除して部屋まで来て、部屋のインターホンを鳴らしました。そのため少なくとも私がいるマンションでは、管理会社を通していればオートロックの解除方法を知っているはずです。それがオートロックから入れなかったのですから、やっぱり、話を通しているというのは嘘ですね。
以上を考えた結果、私はこう切り出してみました。
まず前提として、このテレビは受信を目的として設置していないため、契約の義務はありません。
それでも契約を要求するのであれば、テレビの所有権は管理会社にありますので、私ではなく管理会社と契約して下さい。
管理会社から、私と直接契約するように言われたとあなたは主張していますが、信じられません。管理会社から私へ連絡させて下さい。管理会社からの連絡を受けたら、この部屋の賃貸契約条件として受信契約が必要であることを認めます。それが道理というものではありませんか。
まぁ「できません」の一点張りですね。
これについては、スタッフが出してきた名刺に書かれていた電話番号に電話し、彼の上司と思われる人物にも述べてみました。というか彼が自分で「電話してみて下さい」と言いました。電話と対面ダイレクト、両方から板挟みする作戦なのでしょう。私はひねくれ者なので、まず最初は彼の会社ではなくNHKに直接電話をしてみたんですけど、うちの担当ではないと逃げられたので、仕方なく彼の会社に電話しました。
上司「NHKとしてはそのような対応はしていません。そういった決まりです」
私「あなたはNHKではありませんよね。NHKから委託されているだけの会社ですよね?」
上司「そうです」
私「放送法には契約をしなければいけないということは書いていますが、契約をどういった手順で結ぶかの取り決めはありません。管理会社を通せないというのは、あなたの会社の勝手な決まりですよね?であれば、規則を変えればいいのです。できないではなく、やって下さい」
上司「できません」
私「NHKとの委託契約は、どこそこの地域に対し、NHKの契約を代理で行うというものではないのですか?その手段まで明確に決められているのでしょうか。管理会社を通せない理由は何ですか?」
上司「NHKとの契約内容については話せません」
私「では私は契約しません」
上司「契約は放送法第64条により必ずしてもらっています。テレビがあるんですよね?」
私「私が所有権を持たないテレビはありますが、受信を目的として設置していません」
上司「受信を目的として作られたテレビですよね?」
私「あなたが先ほど言っていた放送法を読んで下さい。受信を目的として設置するかどうかで判断が分かれます」
上司「テレビは受信を目的として作られていますよね?」
私「受信を目的として設置していません」
上司「テレビは受信を目的として作られていますよね?」
そして無限ループへ
10分弱でしょうか。最初は色々と言い合ったんですけども、最後は無限ループになりました。
無限ループしていると、目の前に立たせていたスタッフが「切って下さい」と言ってきまして。電話を切ると突如として「委託業者委託業者って、NHKではないからって私を見下して馬鹿にしていますか!?」「あなたは自分が正しいと思い込んでいるようですね!」と急にキレました。身長180cmで筋肉質な体格の男性がキレるとなかなか迫力がありますね。正直これ、女性なら身の危険を感じるレベルだと思いました。私は身長200メートル筋肉ムキムキテカテカ逆三角形ウルトラマッチョマンなので怯むことはありませんが。
このキレたスタッフの心境はよく分かりませんが、NHKではなく委託業者、すなわち下請けであるという部分に酷いコンプレックスを抱えているのかもしれませんね。あまり触らない方が良いのかも知れません。私は「NHK」と「委託業者」を明確に区別するために、彼や電話の上司(?)がNHKという言葉を出すたびにそれがNHK本体なのか委託業者なのを念押し確認していったので、彼からするとコンプレックスを抉られ続けていたと思われます。ちょっと悪いことしちゃったね。
ちなみにキレた状態の彼に「あなたを馬鹿にするほど暇ではなく、真面目に対応する気がなければ、帰れと叫んでドアを閉めています。知性的に会話をしているから、こうして話をしているのです。」と言ったら、色々と捨て台詞を吐かれた上で帰りました。「今度は私以外の人が来ると思います!」とかなんか言ってました。キレた人間は理性のトリガーもぶっ壊れて何をやり始めるか分からず大変危険なのですが、とりあえず今回の場合はキレて帰るという結論に落ち着きました。
さて。キレて帰ったという結論は述べましたので、他にもこんな会話してたよーっていうのを覚えてる限りで書いてみたいと思います。録音でもしとけばよかったなとちょっと後悔しています。
判例も持ち出してくる
業者は「レオパレスのような」「判例もあります」という言葉を本当に何度も繰り返し言い続けていました。しかし最高裁判決にそのような判例はなかったと思うので、何の判例かなと気になっていました。
業者が帰った後で調べてみたところ、現在係争中の裁判で、家具付き物件でのNHK受信料契約は誰が払うべきかっていうのがあるんですね。それがちょうどレオパレスだったようです。
で、一審ではNHKが負け、二審ではNHKが勝ってるんですね。最高裁までもつれると思われますが、現在では二審の結果が最新情報となっているため、業者はこれを根拠に「判例」と言ってくるようです。最高裁判決はまだなので、鵜呑みにする必要はないです。仮に最高裁でもNHKが勝ったとしても、契約は個人ごとにやれって話で終わります。
登録だけという嘘に注意
契約する気はないということをただ主張した程度で委託業者が帰るかというと、そんなわけありません。今回私のところに来た業者はキレたら帰りましたが、基本的には向こうは仕事でやってますから、言葉巧みに、どうにかして契約させようとしてきます。
今回の業者は最初の頃、「1円も入っていない口座番号を書いて頂ければ、引き落としできませんから、結果的に支払いは発生しません。登録だけです」と言ってきました。この口車、絶対に乗せられてはいけません。それをやると契約したという事実が発生します。
契約をした場合は、支払い義務が発生しますから、NHKは払ってねと裁判を起こすことが可能になります。ここ勘違いしやすい場所なのですが、契約しない限りは支払い義務は発生しません。NHKが稀に起こしている受信料裁判は「契約をしたけど払わない」相手に対して「払って下さい」という内容です。契約をしたなら払わなきゃいけないねっていうのは誰が考えてもそうですから、NHKが勝つわけです。
最高裁、テレビ受信装置設置者へのNHK受信契約義務付けは合憲 | 財経新聞
https://www.zaikei.co.jp/article/20171207/415437.html
昨年12月に話題になった最高裁判決ですね。NHKとの契約を法律で定めること自体は合憲ということで、一見NHKの勝ちに見えます。しかしこの最高裁判決では「NHKが契約しろと言ったら自動的に契約成立だ」というNHK側の主張は退け、個別に裁判を起こして勝訴しなければ、契約や支払いは発生しないとなっています。
これがどういったことかと言うと、契約しない限りNHKは裁判を起こせません。受信料の総額を求めるのに必要な「受信設備設置日」をNHKは知りませんが、放送法により免除もできません。よって「あなたが受信設備を設置したxxxx年x月x日に遡って契約し、受信料を払って下さい」という裁判は起こせません。契約をしてしまうと、消費者側が自己申告で記入した受信設備設置日という根拠があるために、NHKは裁判を起こせます。
他にもこんなことを言ってみましたand言ってきました
私「家具付き物件だから確かにテレビはあります。受信を目的として設置はしていませんが、確かに存在はしています。なので管理会社に連絡し、このテレビはすぐに回収してもらいます。」
一般家庭だと「テレビ捨てます」みたいなもんですね。捨てるというのはガキの言い返し感がありますけど、家具付き物件がテレビを回収させるというのはわりと真面目な話でしょうか。しかしこれについては「今!ありますよね」と元気に言ってきたので、あまり効かないようです。
ちなみに、即座に管理会社に電話して「NHKの委託業者が来てるがテレビ見ないから、テレビ回収してくれ」と言ったところ、会社として回収はしていないから部屋以外のどこか外部に保管しておいて下さいという返事でした。確かに、部屋から放り出せば「設置」ではありませんからね。これで今度から奴が来た時は「テレビはもう無い」と言えますね。
業者「福島の地震の時だってNHKが~。私の友達も被災したんですけどNHKのおかげで~。あなた一人が見る見ないじゃないんですよ、みんなで協力なんですよ」
日本人受けする同情作戦ですね。知らんがな。
業者「そんなにNHKのこと嫌いですか?どうしてですか?」
業者「私も個人的にはみんな契約というのは時代と合っていないと思います。でも法律でそういう決まりなんです」
これ実は、彼が来て最初に「契約はしません」と言ったところ、すぐに出てきたセリフです。最初だったので私は「NHKも、あなた個人のことも、別に嫌いではありません。好きでもありません。ただ契約はしないというだけです」と温和な返事をしたのですが、今にして思えば、これも同情作戦ですね。なかなかどうして、しっかりと研修を受けた人のようです。
まとめの感想
NHKの委託業者、マトモに応対したのは実はこれが初めてです。前にいたマンションでは、テレビないと言ったらすぐに帰ったので。その時と比べると、テレビがあると認めた今回は、とにかく非常にしつこいですね。そして何より嘘をついてでも契約させようとするのが純粋に悪質です。
「NHK受信料を払いたくない」という人は、強靭に突っぱねる勇気がない場合、徹底して「テレビない」の一点張りにするべきですね。もちろん、NHKを見てるなら払うべきだと私は思いますけども。
テレビないと言っても帰らない場合、帰って下さいと伝えてから、警察を呼びましょう。NHK委託業者は不退去罪で警察を呼ばれたら絶対に逃げるらしいです。私は今のところ警察作戦を試したことはありませんが、佐川急便と勘違いして応対してしまった時が来たら、テレビない作戦で帰らなければ、警察作戦をやってみようと思います。
コメント コメントは承認制です。
身長200メートル(でかい)
純粋に面白かったし読み応えがありました
最近は警察官に似せたと思われる格好(バレバレだったけど)等、
いろいろ手が込んでますねw
いつも楽しく拝見させていただいてます。
ネトウヨの敵、本多勝一御大の
「NHK受信料拒否の論理」も読まれてはいかがでしょうか
自称200メートルなら実際のところ163cmって所かな
しかし野球部出身にロクな奴いねえな
仕事でやってるくせにキレてくるとか災難でしたね
しかしなるせさんみたいに頭の回転も速く口の立つ人相手では勝ち目もないでしょうw
危惧されてるようにそういう人間は何をするかわからないので怖いですね
自分も去年夜19時頃にNHKの業者が来ましたよ
家のチャイムが鳴ったので「どなたですか?」と尋ねたらNHKの業者でした
ちょうど夕飯時だったので丁寧に断ったんですが帰ってくれず
時間がないので用件だけ手短にお願いしますとスピーカーホン越しに言ったら
「放送法に関わる重大な話があるのでドアを開けてください」とか言い出したので
不信に思いドアを開けず帰ってくださいを言いまくって帰らせましたけどかなりしつこかったです
夕飯時に来ただけでも迷惑なのにドアを開けろとか人の都合完全無視で笑えますよ
ドア越しに覗いたら手元の機械で何やら入力しててさらに気持ち悪かったです
20代前半くらいの男でした