ニンテンドーSwitchについての諸評

ついに詳細が正式発表となったSwitch。
これについての諸評をば。画像は大体公式サイトから持ってきています。

まずは基本情報のおさらい

基本的な情報をおさらいすると、まず値段は32378円(税込)。発売日は3月3日。
任天堂の据え置きハード伝統となっていた25000円(税込みだったり税抜きだったり)を、ついに破る形になりました。

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基本セットは本体の他、左右に装着/分離できるコントローラー(Joy-Con)、Joy-Conにつける用のストラップ2本、Joy-Conを合体させて1つのコントローラーにするためのグリップ、ドック、ACアダプター。またHDMIケーブルが1本付属となっています。最低限必要なものは全て揃えてきたようです。
またACアダプターはUSB Type-Cなので、市販品のUSBケーブルでも充電可能でしょう。独自規格を全く使わないのはとても良心的ですね。

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あるのかないのか。明言が避けられていたタッチパネルの有無については、対応となりました。

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無い、とウワサされていた有線LANポートについてはマジで無いという結果になりました。USBアダプタでの別売となります。
ドックのUSB端子は2.0で動作し、将来的に3.0に対応する予定。

内蔵ストレージは32GB(システム共有)。WiiU Basicの何を考えてるのか分からなかった8GBと比べれば増えましたが、それでもやっぱり据置機として考えると少ない印象。ダウンロード販売も多い昨今では、ゲームソフトだけで考えても128GBは欲しいのが正直なところでしょう。とはいえ、microSD(HC、XC)カードは使えますので、それを前提にしろということでしょうか。しかし実用的な容量をSDXCカードで継ぎ足すとなると512GBになりますから、それだけで本体があと2台買えてしまう

※実用的な容量として512GBを選ぶ理由。
SwitchはXboxOneやPS4と同じくゲームプレイの録画にも(アップデートで)対応するため、それらの初期モデルと同等程度の容量が実用的だと判断せざるを得ない。

ディスプレイ解像度を720pにしたのは英断でしょう。
このサイズのディスプレイだと、1080pと720pでは、パット見の差はほとんどありません。720pをリッチに描いた方がよりキレイに見えます。

気になるバッテリー持続時間

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2.5~6.5時間。ゼルダなら3時間。
ゼルダをどうやってプレイするのを前提にしているのかは不明ですが、本体の左右にコントローラー付けて遊ぶのかなとは思います。コントローラー外して無線通信にするともっと電力消費する。Wi-Fiでの通信が入ると更に(略)。
オフラインゲームのゼルダの公称値で3時間ならば、実測では2時間ちょいがいいところでしょう。これだけ短いと充電サイクルも短くなり、かなり早くサイクル寿命が磨り減っていくのではないかと心配です。

いくら最新のPascal世代とは言っても、省エネ性には限度があります。こうなって仕方ないとは思うのですが、任天堂の場合は別ですね。だってこんな事言ってライバルを煽ってた会社なんですから。

岩田社長は「どうやってケチケチにパワーバランスを取るかだが,ゲームにおいては,やはり10時間~20時間はバッテリーが持たないと,ゲーム機としては全く意味がないと思う」と語った。
SBG:携帯ゲーム機バッテリーについて任天堂の見解は?

任天堂は、ゲーム機は10~20時間はバッテリーが持たないとゲーム機としては全く意味がないとライバルを煽る会社なのですから、ちゃんと10~20時間持つように作るべきでしょう。

 

けっこう重い

Joy-Con装着時に398g。microSDカードとゲームカードを入れたら400gをちょっと超えてしまいますね。3DSの頃はタッチペンやmicroSDカードを入れた重さで公称値を出していたので、400gを超える数値は見せたくないというのが任天堂の内心なのかなと思います。
バッテリー持続時間と合わせて考えると、ほぼ据置機前提で、持ち運びもできる程度の扱いを狙っているのでしょうか。それにしては外出先で友達とプレイというのをウリにしており、この重量は少しばかり足かせになるのではないかと感じました。

 

ちょっとリアリティのない宣伝

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現実世界で、グラスに氷入れて、アイマスクして、耳栓して、振って氷の個数を当てるのって難しいと思います。
振動だけで数が分かるって、まずその能力が一般的な人間を超えてますし、逆に不自然でリアリティがないのではないでしょうか。ここは実際に体験してみないとなんとも言えない部分ではありますが、そんな振動は無理だと思います。だって分からないんだもん。

 

これWii HDじゃね?

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Joy-Conには左右ともにモーションセンサーが内蔵されており、両手で動かしてゲームプレイができます。ローンチタイトルの一つにボクシングゲームが出て来る程度には、プッシュされる機能のようです。まあこれを見てキレイになったWiiじゃんというのは、どうしても言いたくなるでしょう。

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またJoy-Conの右にのみ、モーションIRカメラが内蔵されています。カメラが捉えたモノの形や動き、距離を読み取ることができます。
これを利用したりし、画面を見ずに人同士で向き合ってプレイするパーティゲーム1-2 Switchも発売されます。
コントローラーを振るだけで楽しい。コントローラーの前でもぐもぐするだけで楽しい。私思うんですけど、これで楽しいならSwitch自体がなくても楽しいのではないでしょうか。

ギミックで売れたWii DSの成功体験が忘れられず、WiiU 3DSで別のギミックにしたらあまり成功しなかったので、今度は成功したギミックに戻そうという感じなのでしょうか。どうしてもギミック頼りと感じてしまうのは仕方なく、また画面がキレイになっただけでWIiと同じ遊び、新しさがないという点からも、かなりマイナスなイメージを受けてしまいます。

 

周辺機器が高かったり、意味不明な仕様だったりする

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普通の形のコントローラー、Proコン。6980円(税抜)。
DUALSHOCK4やXboxOneコントローラーはどちらも5980円(税抜)であり、ひっそりと一人だけ1000円高い形になっています。率直に言って高い。

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Joy-Con充電グリップ。2480円(税抜)。
本体に同梱してたよねと思った方、違います。本体に同梱されているのはただのグリップです。こちらは充電グリップです。

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充電グリップにはUSB Type-C端子が備わっており、そこから給電することでJoy-Conを充電することができます。ただのグリップには充電機能はありません。

これはつまり、本体との同梱品だけでは、本体のサイドへセットする以外に、コントローラーを充電する手段がないということを意味します。
Switchを据置モードメインで遊びたい人は、Proコンか充電グリップがほぼ必須ということになりますね。一応、Joy-Conのバッテリー持続時間は公称20時間となっているため、ゲームを遊び終わったら必ず本体のサイドへセットを心がければ、電池切れになることはまずありません。しかし充電し忘れたり、徹夜でゲームに勤しんだりした場合は、充電し直すまで据置モードではゲームが遊べません。コントローラーを単体で充電するには別売りのグリップ(2480円)を買えというのは、ちょっと狂った仕様でしょう。

流石に、充電グリップは同梱するべきだったと思います。
ただのグリップを同梱するくらいなら、思い切って同梱せずに値段を下げた方がマシです。不要なものを同梱するほど、無駄なコストはない。

ついに任天堂もオンライン有料の時代へ

高品質なサービスを提供にするには、有料化は必須です。
XboxLiveは最初期より有料とすることで、無料というアドバンテージを他社へ与えることとなりつつも、お金を取るだけの価値のある高品質なネットワークサービスの下地を作る資金も、時間もできました。PS2やGCが標準ではオンラインに接続できなかった時代、Xboxは標準でオンラインに接続できたのです。そして家庭用ゲーム機用オンラインゲームとしてのキラーソフト、レベルファイブのトゥルーファンタジーライブオンラインが・・・開発中止になって死亡したのは懐かしい昔の話。

PSNは、PS3では無料にこだわりましたが、PS4では諦めて有料にしました。しかし出遅れた分下地が弱く、その質はXboxLiveに負けていると評価することに異論の余地はないでしょう。ゲームソフトのダウンロード1つでも、XboxLiveとPSNには大きな差がありますね。安定性、メンテによるサービス停止時間なども気になります。「無料だから」で許されていたことが、有料では許さない人が出ると同時に、有料でないとできなかった基盤強化は”これから”となるからです。

そして任天堂が、ついに有料化です。
任天堂は比較的最近までアカウント制にすらしていなかったほどネットワーク面が弱く、何の下地も整っていません。有料のクセにクソというのは現在のPSN以上に叫ばれてしまうでしょう。企業としての規模的にも、マイクロソフトやソニーとは比べて任天堂は小さく、ネットワーク基盤をどう整えていくのか、ノウハウはあるのか、などの懸念がつきまといます(アカウント制すら遅れたのも、そういうところが理由でしょう)。
他にも、ハードウェアが頑なに有線LANを備えないために、無線によって接続される確率は他ハードより確実に高くなります。今の時代は固定回線が「わざわざ引くもの」と捉えられつつあり、ライトな人はモバイルルーターで十分とまでなっている世界ですから、ライトゲーマーが多いという面だけでも無線率は上がりますね。無線率が上がれば、実際にはクソみたいな接続をしているユーザー側に原因があるにも関わらず「任天堂クソだな!」と評価してしまう人の発生率も上がります。人は、自分に落ち度があるとは思わないものですから。
任天堂がソニー以上に「有料なのにクソ」が叩かれまくる未来は見えており、どう乗り切って、有料相応の品質を確保できるか、これからの課題となるでしょう。

 

据置機にも携帯機にもなれない中途半端さ

まぁ、正直こうなるとは予想していた人も多いかと思いますが。詳細発表を受けて改めて、据置機と携帯機のイイトコドリを狙ってワルイトコドリになったなぁと感じざるを得ませんね。

バッテリーで動作し、持ち運びながらプレイできる携帯機サイズで実現できる性能では、据置機としては圧倒的に不十分。世代的に最新のGPUであり、現時点では携帯機として飛び抜けた性能ですが、だからと言ってXboxOne、PS4と同等のグラフィックが出せるわけがありません。シュリンクが進み値下げが進んだPS4と同じ値段で低性能で、10年前に見たWiiと同じギミックでは、据置機としての魅力はほぼゼロでしょう。
XboxOneならセール特価で19800円ですから、Switchより安くて高性能。まぁ肝心のソフト面が日本発売中止とか開発中止とかしまくってるんで、論外なんですけども。

では携帯機としてはどうかと見れば、据置で使うためのギミックやドックなどが足かせとなりコスト増が免れず、「1人1台」を狙うにはあまりにも高すぎる値段になっています。25000円があまりにも高すぎて売れないからと、半年で15000円へ下げた3DSよりも高いのです。PS4と同じ値段で1人1台はキツいでしょう。しかも、その頃よりも人々の手にはスマートフォンがしっかりと握りしめられていて、ゲームやるならスマホでいいよって人がとても多い。またゲーマー目線でも、3DSでやった半年で1万値下げという過去は記憶に新しく、今度もまた即値下げするだろうというイメージまでついてしまっています。任天堂は、いや故・岩田元社長が大口叩きだっただけに、過去の発言や行動が全て跳ね返ってきてしまっていますね。

 

いつも通りの任天堂専用ハードになってしまいそう

任天堂のゲームキャラクターは安定した人気を誇り、よく売れます。任天堂のゲームはしっかりと売れるでしょう。ライバルに敗北を喫したN64やGC、WiiUでも、任天堂ソフトはしっかりと売れました。任天堂ハードは任天堂ソフトを遊ぶために買うハード。今回もそうなってしまう気がしてならない。あ、私はゼルダやりたいので発売日に買います。

コメント コメントは承認制です。

  1. 匿名 より:

    言いたいことは解らないでもないですが14年前の故人の発言を持ってきて批判するのはいかがなものかと思いますねぇ
    あの後に出てきたDSはバックライトを使わなければ15時間遊べるというウルトラCを決めたので許してあげましょうよ…
    まあ…今回も一番いらないのは画面ですよね
    タッチパネルにしたのも意味不明でタッチが必要なゲームはテレビで遊べないことを意味しますし
    なにより性能を下げないと値段が抑えられない元凶にもなります
    Wii→WiiUのリモコンみたいにゲームパッドそのまま使えるようにしてくれればスプラもそのままの感覚で遊べたのになと残念な部分です(まああれも別売でそのお値段分WiiUの性能上げてくれればよかったんですけど)
    画面のないVITATVみたいなのがそのうち出ると思うしWiiU現役ですがたぶんゼルダはスイッチで遊ぶことになりそうなのはゲームファンのSagaでしょうね^^;

  2. 匿名 より:

    Pascalじゃなくて一世代前のMaxwellなんだよね。

  3. 匿名 より:

    x1のカスタムなのか、parkerのカスタムなのか、結局どっちなん?

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