HALO INFINITEのレビュー的な記事

コンシューマ機でのFPSを流行らせた作品。といえば日本だとN64のゴールデン007になるのですが、世界では、日本では存在すら認識されていない謎のゲーム機Xbox専用タイトルのHALOという作品が該当します。初代HALOから20年、最新作のHALO INFINITEのマルチプレイヤーが、現代風に基本プレイ無料となり先日実質リリースされました。(一応ベータテスト扱い)

初代HALOを小学生の頃に遊んでいた私、懐かしさと、高い完成度に連日ぼちぼち遊んでます。正直疲れるので1日あたりで見るとたいした時間プレイしていませんが、まぁぼちぼち遊んでいます。

ヘタクソを駆逐するゲームバランスは健在

HALOのような作品は、アリーナ系シューターと呼ばれ、おそらくFPSの元祖と言えるような特徴を持ちます。

  • 少人数で(HALOは4対4が基本)
  • 狭めのマップ内で
  • フィールド内に落ちている強い武器を取り合いながら
  • ダメージを受けてもすぐにHPが全回復する

という感じに戦います。この特徴だけで、近年流行している100人バトルロイヤルゲームとは様々な面で異なることが未プレイの方でもわかると思います。そして未プレイの方でも少し想像力を働かせるとイメージできると思うのですが、メチャクチャ弱肉強食の世界になるんですね。

基本的に、バトルロイヤル系FPSやTPSでは体力回復はアイテム制であり、また回復には時間がかかりますし、全回復もしないものが多いです。そのため勝つことにおいて漁夫の利が非常に有効なわけですが、HALOのような作品では数秒ですぐ全回復します。更にはHPが多いという特徴もあります。初期武器だと、1マガジンほぼ丸ごと打ち込めばようやく倒せる感じですかね。ちょっと外してると倒しきれません。なので漁夫の利はしづらいんですね。数秒遅れるともう相手は全回復済みで、HPも多く、強い武器はマップ上に置いてあるためだいたい敵が強い武器を持っている状態です。

たとえばこれ私が好成績を残した試合の結果。ルールは単純なキル数を競うものです。

一度も死なずに敵を25体倒す

こういう惨殺ショーが普通に起こるゲームです。相手の立場からしたら、先に50キルした方が勝ちという試合で、相手に25キル0デスがいるわけです。こんなもの嫌になりますね。で、これは別に私が超プロゲーマーでアルティメットプレイをキメまくっているわけではなく、仲間も相手も弱すぎたという結果によるものです。仲間が弱いので、仲間が相手を倒す前に私が倒せます。相手が弱いので、私が連続キルできます。

ヘタクソのラッキーパンチでは強い人を倒せない。強い人が弱い人を一方的にボコる。悔しかったら強くなれ。というゲームになりがちなのが昔ながらの対戦ゲームあるあるだと思います。今の時代にさてこれがどこまで流行るのかは別として、ヘタクソが延々隠れて最後のラッキーパンチで1位になれることのあるバトルロイヤルゲームとは全く違う方向性です。

ヘタクソでも勝てるからこそバトルロイヤルゲームは流行ったのですが、10分20分コソコソ隠れてアー死んじゃったまた次10分20分コソコソ隠れるのは私には合わなかったので、この緊張感のあるプレイは実に楽しいです。まぁ、勝てればですが。私は井の中の蛙程度の実力なので、井の中では一番になれます。大海に出た瞬間ボコボコにされます。

とはいえ、ある程度は初心者にも優しいシステムに

強い人がヘタクソを蹂躙するシステムですが、ある程度は初心者に優しい仕組みになりました。HALO4 HALO5ではある程度スピード感のあるゲーム性へと進んでいましたが、本作ではHALO3のスピード感に近づきました。かなりゆっくりめの移動速度です。

フィールド上に置いてある強めの武器が出現するまでの時間は、画面上でカウントダウンされています。さすがに通常武器まではカウントダウンされていませんが、従来では「そろそろ復活かな」というのを、完全に数えるのは無理でも感覚でザックリとは掴んでおかないと相手に強い武器を確保されてしまう状態でしたので、それがある程度緩和されたわけですね。また自分の近くにある武器はサーチしてハイライト表示することができるため、置き場所を覚えていなくてもある程度どうにかなります。

また、従来であれば非常に強力な武器や乗り物は決まった場所に置いてあったのですが、今作はランダムで戦場に運ばれて来て、運ばれて来る時にはシステムが教えてくれます。ランダム要素を加えたことで、上級プレイヤーでも把握できなくなり、その分初心者にも優しくなりました。

焼け石に水ですが、プレイヤーが抜けたらbotに切り替わるのもちょっと良点かもしれません。負けて抜ける時(正直いって私も抜けます)、残った人は相手が勝利スコア満たすまで延々とボコされるわけですが、それをbotが代わりにボコされてくれるわけです。心が折れるのをちょっと助けてくれますね。まぁ私はそうなったらさっさと試合抜けるんですけどね。

スレイヤー以外はチーム総合力が求められる

単純なキル数を競うルール[スレイヤー]では、上手い人がいるチームが勝つと言っていいです。もしくは、ヘタクソがいないチームが勝つとも言えます。ヘタクソは延々と死に続けて相手にポイントを献上します。

しかし他のルールだとそうもいかないですね。たとえばこの試合。

ルールは[キャプチャーザフラッグ]、互いの陣地にある旗を互いに奪い合うものです。343~という名前はbotです。私がわりとキルしており、相手ボコボコ感があり、途中抜けしてbotになっていたわけですが、でも勝ったのは相手チームです。
互いの陣地にある旗を互いに奪い合うわけですから、私が防衛を頑張ると、私が死んでリスポン待ってる間に旗を持ち帰られてしまいます。私が攻めると私以外誰もいないので旗を持ち帰れないという状態になります。単純なキル数バトルなら勝ってましたが、こういったルールの前には、私のような井の中の蛙プレイヤーでは勝敗を左右することはできません。

続いてこの試合。

これは[オッドボール]という、フィールド上に1個置いてあるボールを持ってる時間が合計100秒になるのを2回先取した方が勝つというルールです。私が一番キルし、一番デス少なく、一番ボールを持ってる時間が長いという状態で、もちろん負けました。仲間が全員デス数>=キル数です。この状態ではボール保持状態を維持することができません。私がボールを持たないとチームがボールを保持できないものの、私がボールを持つと相手をキルできないとなります。やっぱりですね、私のような井の中の蛙プレイヤーでは勝敗を左右することはできません。

またこれはビッグチーム(12対12)の、3箇所あるゾーンを同時に制圧するのを3回やった方が勝つというルールの試合結果。

自チーム内では私がソコソコ確保してソコソコキルしてますが、まぁ一方的にボコられて負けていますね。相手チームの上位3人くらいが凄く強かったです。12人になると余計に、私のような井の中の蛙プレイヤーでは勝敗を左右することはできません。

このあたりの試合のスクショを見ると、全部、私が自チーム内で一番スコア高いという状態です。私は決して下手ではないはずです。でもトータルで見ると私の勝率は50%未満です。
私は井の中の蛙ですので、井の中では一番になれます。でも私がいれば勝てるという域には到達しないため、相手側に「俺がいれば勝てる」の人が来たら負けます。自チームに私が一人いることで、一人分、「俺がいれば勝てる」の人が来る確率が低くなります。なので私の勝率は50%未満です。

ちなみに私がチーム内1位でない時は、逆にチーム内最下位であることが多いです。実力の発揮具合が安定してくると、「勝てる相手には勝てる」「勝てない相手には勝てない」がハッキリしてきて、ラッキーパンチのようなものが減ってきます。結果、1位or最下位がハッキリしてくるのでしょう。

自分の実力がハッキリと出てくる本作は、ヘタクソには辛いですが、競技的なゲームとしては非常に完成度が高く、楽しいです。尚、各種ルールは旧作では自分で好きなものを選んで遊ぶものでしたが、本作では選択式でなくなり、自動となりました。スレイヤー以外はやってこなかったプレイヤーなので、斬新で楽しいです。

チャレンジが地獄のように大不評

ゲームそのものは非常に面白いのですが、チャレンジシステムが極めてクソです。近年のゲームらしく基本プレイを無料にして、見た目に課金することでビジネスモデルを確立。その上で継続プレイでランクアップして細かく報酬をもらえるバトルパスが導入されているわけですが、このバトルパスを進めるチャレンジがあまりにも悲惨です。

他のゲームのバトルパスと違い、一度購入したバトルパスは有効期限なくいつまでも挑戦できる(=いつかはフル達成できる)という仕様が当初から発表されていたのですが、そのためか経験値が非常に渋い状態になっていました。初期仕様はあまりにもクソすぎて一瞬で修正され、私はあまりプレイしていなくて記憶が薄いのですが、デイリーチャレンジは常に試合数であるものの、3試合くらいして50経験値入るとかが普通にありました。1000経験値で1レベル上がり、最大100レベルまであります。ひどいですね。
ウィークリーチャレンジもだいぶ難しいものが多く、しかもウィークリーチャレンジを全部クリアすると追加報酬という仕様でした。結局一週目のものは「全員にクリア報酬あげます」になったようです。

ひどすぎたので、2週目からはデイリーチャレンジが1試合ごとに必ず50経験値入るように修正されました。これもはやデイリーチャレンジではないですね、ただの試合経験値です。
そしてあまりにも高難易度なウィークリーチャレンジは消えたようです。また30分間獲得経験値2倍のアイテムは1時間に延長されました。ゴリゴリ緩和です。しかし同時に追加されたはじめてのイベント フラクチャー」:テンレイ用のチャレンジがだいぶ鬼畜仕様でした。

このイベントは日本の鎧武者みたいな装備が手に入るというイベントなのですが、ただイベント用のルールがあるというだけでなく、イベント用のウィークリーチャレンジを達成していく必要がありました。その中の最後の一つにキリングスプリー(5連続キル)を5回するがありました。

HALOはただでさえ実力差がハッキリし、弱い人はなかなか勝てないゲームです。キリングスプリーを出せない人は本当に出せません。それをどうにかしないとイベント報酬もらえないわけです。つらいですね。
またこのイベント用ルールは「武器装備がランダム」というものです。自分はゴミ武器で、相手はロケットランチャーを持ってたりするわけですね。逆もあります。こうなると上手い人でもキリングスプリーが難しくなります。もちろん、メチャクチャ上手い人は、相手が持ってきてくれる強い武器を回収しながらフィールド中央で無双していけるわけですが、本当に上手い人に限られるでしょう。
とは言え、イベント前半はみんな中央に駆け寄りまくって強武器ドーン→死亡を繰り返していたので、運次第でキリングスプリーも取りやすかったです。しかしイベント終盤、みんながキリングスプリーを5回するを狙うようになると雰囲気が変わりました。死なずに5連続キルですから、そりゃまぁ恐ろしいほどチキンプレイの人ばかりになりました。敵も味方もコソコソチキンプレイばかり、そうなると楽しくないし、なにより、キルできないんですよ。

みんなが中央に駆け寄りまくるからこそ、下手な人でもロケットランチャー4発撃ったら5人キルできてたとかあったわけですが、それがなくなったら闇討ちし合うだけの陰湿ゲームです。しかし闇討ち狙い同士だとなかなか5連続キルできないので、全員がストレス抱えまくりの地獄となりました。幸いなことに私は無事にチャレンジ達成しましたが、その後出てきた「最後のウィークリーチャレンジ」が、またキリングスプリー5回で嫌になってコンプ特典は諦めました。

3週目では更にチャレンジが緩和。1試合ごとに50経験値固定と化していたデイリーチャレンジが、1試合目は300経験値、2~3試合目は200経験値、4~6試合目は100経験値、7試合目からは50経験値という形になりました。最初の状態とは比べ物になりませんね。2倍経験値を使ってプレイすると勝ち負け関係なくモリモリレベル上がるようになりました。

ついでに、2週目までは頑張っていた日本語翻訳は、3週目で諦められて英語のままとなりました。2週目までは頑張っていただけ凄いと思います。

しかし3週目でもまだまだ問題は多く、なにより「アサルトライフルで15キルする」「ハンドガンで5キルする」などが残っているのが厄介です。アサルトライフルやハンドガンは初期武器であり、さっさと捨てて別の武器にするべきものです。初期武器だからこそやってるうちにいつかクリアできるチャレンジでもあるのですが、一週間ごとにリセットされるものなので、プレイ時間が少ない人、あまりうまくない人は必死になります。そうなると「ずっとアサルトライフルで走り回る」などが起こるわけですね。チャレンジ達成のために試合の勝敗より個人プレイに走ってしまうのです。ビッグチームバトルならまだマシですが、これが4対4でやられるのとキツいです。4対4は一人一人の影響が大きいので、個人プレイに走る人がいると本当に負けます。

私がハンドガンチャレンジのためにハンドガン使ったシーン。

ハンドガン はヘッドショットできれば一撃なので、タイミング次第では強いのですが、狙ってそればかり使おうとすると地獄だと思います。

アサルトライフルとマングラー(1キルでいい)を狙ったシーン。

ピストルでシールド剥がしてアサルトライフルキルしてますが、こんなものは普通はやるプレイではありませんね(順番が逆)

キル数を取りつつ、アサルトライフルでキルできそうなところはなるべくアサルトライフルにしたシーン。これも、普通はアサルトライフルはさっさと捨てるのにずっと持ってるのが変な話です。

自分ではキルせずアシストを狙っていたシーン。倒しきらないように狙っているクズプレイの極みです。

動画にするにあたって、うまくいってないシーンを出すと恥ずかしいので、うまくいってるシーンを切り取ってるのですが、それでも微妙だっていうのがわかると思います。こういう自分のチャレンジ目的で個人プレイに走る人が多いと、勝てる試合も勝てなくなります。
バトルロイヤルゲームでは自分の勝ちを捨てるだけだからこそ成立するものだと思うのですが、チーム戦のHALOでこういうタイプのチャレンジは嫌ですね。もちろん自分も経験値のためにやるんですけど。

すでに実質リリース状態ですが、名目上はまだベータテスト、来週リリースです。このチャレンジの仕様が今後どうなるか次第で、継続的に人気が続くかどうかが決まると思います。ゲームは楽しいんですけどね。

『Halo Infinite』マルチプレイモードのバトルパスの仕様に不満の声寄せられる。開発元は最優先での対応を約束 - AUTOMATON
マイクロソフトの『Halo Infinite』のマルチプレイモードにて、バトルパスの仕様についてプレイヤーから不満の声が多く聞かれる。そうしたフィードバックを受けて、開発元343 Industriesはこの問題に最優先で取り組む考えのようだ...

不満の声は非常に多いようです。

コメント コメントは承認制です。

タイトルとURLをコピーしました